[レッスン記] バッハを弾く時の手の形

私の手は、フォームが悪い。

悪い例をお見せするのもなんだが、自分の過去の演奏動画みると、よくわかる。
2022年の夏の動画。全体的に平べったい感じで高さが無く、指が伸びて無駄に手が開いた状態で、鍵盤を撫でるような弾き方になっている。指が鍵盤に対して45°くらいの角度で入っているし、指の腹が鍵盤と触れる面積が大きい。



先日、インヴェンション5番をレッスンで診てもらっている時に、ど先生の目が私の手元にひかる。

「手の形が悪いのね。ロマン派、印象派などのピースは手を平たくしててもいいけれど、バロック時代のピースにはある程度の手の高さがあった方がいいわよ。

「手の形を改善するだけで、音のクリアリティーもかなり変わってくるんですよ。」

確かに私の出す音色は透明感が無い。濁っている。
これは小さい頃からピアノを習っていないからだと勝手に諦めていた要素のひとつ。

先日のレッスン記、バッハDetouched奏法 にも書いたが、

1. 手をなるべく小さく構え (曲を弾いている最中、無駄に手を開かない)
2. 手の形は止まり木にとまっている鳥の足のイメージ 
3. 指が鍵盤に当たる面がなるべく面積の少ない状態をキープ。指が鍵盤を直角に押す感じ
4. 音を出す時は指がお琴の玄を弾くようなイメージ。弾いた直後に指が手のひらの内側に向かうベクトル。
5. 以上のことを曲を弾いているあいだコンスタントに再現する

野球でバットの真芯にボールが当たるとヒットやホームランになるように、ピアノも弦をはじく際にスコーンとグッドタイミングでベストスポットに当たるとクリアな音色が出るらしい。だから、上記のフォームを意識しつつ、自分の出す音をよく聞くこと。

試しにやってみたのが下の動画。曲はこれから譜読みに入るインヴェンション11番。馴染みのない曲で実験する方が説得力があるかと思って。
先に今までどおり、手が平たいバージョンで弾き、次に先生に言われたことを心がけて弾いてみたバージョン。違いがあるだろうか?ただ単に全部スタッカートになっちゃってるだけに聞こえたりして?


この動画から改善前後の写真をおこしてみた。下の写真左側が今までの平べったい手、右側が改善後の手。動画からおこした写真なのでピントが合ってない。定規を当ててみると、明らかに手の甲のポジションは確かに1.5倍高くなってるよ。そして気のせいかもしれないけど、改善後の手の方がリラックスしているように見える。
先生はこれだけでもだいぶ音色がクリアになってDetouched奏法の音色に近づいているとおっしゃっていたが、自分ではまだ手ごたえは感じない。まぁ今後の課題だからしばらくこれを意識してやってみるか。

シフ師匠のインヴェンション11番を聴いてみた。先日のグールドの演奏もそうだったが、シフ師匠も確かにDetouchedになってる。





コメント欄について
コメントは承認制ではありませんので、コメント欄右下の「公開」という文字をクリックしていただけると、即反映します。Googleアカウントが無い方でもご自由にコメントしていただけます。GoogleアカウントのBoxをクリックするとお名前を入力することも可能です。bloggerの不具合でコメントがうまく反映できない場合は、お手数ですが再度入れ直していただけると幸いです。 

にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ

にほんブログ村 クラシックブログ やり直しピアノへ

PVアクセスランキング にほんブログ村

コメント

ぴあのりこ さんのコメント…
Gariさん、こんにちは(^○^)
先生のおっしゃるとおり、音が明るく響いてきましたね。
私は以前、チェンバロを弾いたことがありますが、指を立てて弾かないと、全く音が出ませんでした。
曲によって手の形を変えないといけないことを痛感しました(^_^;)

Gariさんのインヴェンション5番、流れるようで素敵でした。5番は皆さんが難しいと言っているので、流暢に弾けて羨ましいです!!
Gari さんの投稿…
ぴあのりこさん、こんにちは。音が明るく響いてきましたか?すごく嬉しいコメントありがとうございます。自分ではまだ半信半疑なのですが、もうしばらくこの形を意識して取り組んでみたいと思います。そう言えば、ぴあのりこさん、以前にチェンバロを弾かれたことをブログに書かれてましたね。私も弾いてみたいなぁ。でもなかなかそんな機会はめぐってこないですよね。グールドやシフはピアノを使ってチェンバロやハープシコードの音色を模倣、再現しているから1音1音が離れたような切れたような弾き方をしているんですね。私のインヴェンション5番も聴いていただいてありがとうございました。これはすごく難しかったですが、やり甲斐もあり、練習しててすごく楽しいピースでした。
きんどーちゃん さんのコメント…
Gariさん。どうもです~(^^)インベンション5番を聴かせて頂ましたが完成度が高いですね~主旋律は左手右手がちゃんと独立してそれぞれよく歌えています。曲調が変ホ長調の雰囲気が感じられます。変ホ長調は好きな調性なんです♪(*^^*)
この曲は装飾音が苦手な私にはハードルが高いから最後の方に弾くつもりでいます。ちなみにラスト1は2番です。ラストだけは先生の指定です。
5番と12番は装飾音が苦手で避けています。(_ _;) 
他のバッハの曲を聴いても思いましたが、Gariさんの演奏は装飾音が軽やかできれいに決まってますね。手先が器用なのでは。(私はめちゃくちゃ不器用で装飾音が重くて絡まります(-_-;))

奏法についての記事も興味深く拝見しました。うまく弾けない時は手の形や手首の位置、手首や腕の使い方を改めて見直すと良いのでしょうね。Gariさんが弾き方を変えて動画や画像を撮って分析されていて感心しました。違いますね~
動画を撮って初めて気付いたのですが私はかなりベタっと指を寝かせて弾いてます。バロックや古典には向いていなくて近代音楽に合った弾き方だと思います。バッハを弾いている動画を見直したらフランス音楽よりは指を立ててますがそれでも低くて指を伸ばして弾いてますね。

インベンション&装飾音がうまく弾けないのは手の形に問題がある可能性もあるかもと思いました。私も手の型&奏法を意識してみようかなぁ。私も弾き方をいろいろ変えて試行錯誤してみたくなりました。
素敵な5番を聴かせて下さってありがとうございます♪(*^_^*)

Gari さんの投稿…
[きんどーちゃん]こんにちは。インヴェンション5番、聴いてくださってありがとうございます。5番は確かにかなり難しかったです。今11番に取り組み始めましたが、感触としては5番の方がはるかに難しい感じ。きんどーちゃんの先生がラストに指定している2番も難しいピースのひとつですね。装飾音は手フォームを変えたり、指番号を変えたりするだけで急に弾きやすくなると先生にはよく言われます。きんどーちゃんのおっしゃる通り、動画を取ってみて、自分で検証してみて初めて気がつくこともいっぱいありますね。私はほとんどの場合、合格してから動画を撮ることが多いのですが、いつも練習の半ばくらいで一度動画を撮ってチェックすることも大事だなぁとおもっています。でもなかなか面倒でできてないんですけどね。