バッハさん、あなたをもっと知りたくて

子どもの頃、とにかくバッハが嫌いでした。高校生の時、ツェルニーは40番、レパートリーはソナタ集2まで進んでいたのに、バッハはインヴェンションを2〜3曲やっただけでした。どうもメロディーが好きになれず、労力の割りにはかっこよく聞こえないと当時は思ったものです。

2020年にピアノを再開した時に、多くのピアノ学習者がバッハを練習していることを知り、30年以上ぶりにバッハに取り組む決意をしたんです。将来ドリームピースをスムーズに弾けるようになるためには、やはり基礎力をしっかり身につけないと。そしてそのためにはバッハは外せないのであろうと推測し、とりあえず1年間やってみようと思ったわけです。1年経って、どうしても自分に合わないと思ったら、来年は違うものを取り入れてもいいじゃない。




再開して初めて取り組んだバッハのピースはインヴェンション13番。ど先生からアーティキュレーションをつけると曲が生きてくるということを学び、目からウロコでした。

過去記事 Invention No.13 レッスン before after

なにせアーティキュレーションという言葉も初めて聞いたし、左手は伴奏に徹するのではなくて、左手にも主役がまわってくる、声部がある、という基本的なことさえも知らなかったわけですわ。ここから私のバッハ熱は加速度的に伸びていきます。


2020年

再開1年目ということで、とりあえずバッハを幅広く体験してみたいと思い、インヴェンションを2曲、シンフォニアを2曲、ファンタジアを1曲、そして平均律から1曲と様々なレベルのピースに取り組んでみました。あ〜ポリフォニーの世界ってなんて素敵なの?!当たり前だけど、声部が増えるごとにどんどん難易度が上がる。ファンタジアと平均律は私にはかなり背伸びピースだということを身をもって体験。バッハについていろいろ調べていくうちに、どうやらゴルトベルクというすごい変奏曲があるらしいということも初めて知り、アリアと第1変奏曲を夏のプロジェクトに。噛めば噛むほど味が出る。弾けば弾くほどバッハの虜状態の1年でした。


2021年

「バッハさん、あなたをもっと知りたくて」

バッハの作った作品をさらに幅広く知りたくて、2021年はフランス組曲5番を完奏することを上半期の取り組みにしました。組曲の最初のピース、アルマンドが大好きで、なんと美しい旋律なんだろうと弾いていて幸せな気分になっていました。アルマンド以外の曲は、ちょっと好きになれそうにないかもしれないと思っていたのですが、実際に弾いてみるとどんどん好きになっていくんですよ、バッハさん。特にブーレとジグは弾いててすごく楽しかった。私の場合、バッハは聴いているだけでは良さがわからないけど、弾けば弾くほど好きになります。


そして10年越しでゴルトベルク完奏を長期目標に掲げ、今年も夏に4ピース弾くことを目指してがんばってます。

「バッハさん、もうあなたなしでは生きていけない〜😍」

下半期は何を弾こうかな〜♪ 新曲選びも楽しい。


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