みなさんは、曲のスピードを上げたい時、どうやって練習していますか?
多くの方はゆっくりの速度から、徐々にスピードを上げる練習をされているのではないでしょうか、例えばメトロノームを♩=40から始めて、速度を10ずつ上げていくとか。
本日は、私がカナダで知り合ったシャロン先生(現在の私の先生ではありません)に教わったメソッドを紹介したいと思います。私には結構役にたった方法です。
シャロン先生は、娘のピアノの先生を探していた時に、1時間だけ無料の体験レッスンを提供してくれた先生です。すでに業界経験が長く、とても厳しい先生で、「私は厳しいので、ついて来れる生徒しか取りません。こちらからお断りすることもあります。」と仰っていました。娘は結局別の先生につくことにしたのですが、このシャロン先生、無料体験レッスンの中で、とてもすごいことを教えてくださって、そのメソッドは未だに重宝しています。
シャロンメソッドでは、小刻みにスピードを少しずつ上げていくという練習はしません。
ひたすらにゆっくり練習を徹底するのが基本的なアプローチです。
[シャロンメソッド]
ステップ⒈ その曲の理想の演奏時間(スピード)をチェックする。
自分が最終的に弾きたいと思う速度ですね。
ステップ⒉ 理想のスピードの2倍遅い速度にメトロノームをセット
(理想のスピードが♩=60なら、♩=30、もしくは ♪ = 60 ですね)
ステップ⒊ 右手だけ10回、メトロノームを使って、2倍遅い速度で
ステップ⒋ 左手だけ10回、メトロノームを使って、2倍遅い速度で
ステップ⒌ 両手合わせて10回、メトロノームを使って、2倍遅い速度で
ステップ⒍ ここで一気に理想の速度に上げて、両手合わせて10回弾く
シャロン先生曰く、ステップ5の時点で両手合わせてなんとか形になっていれば、そのピースはあなたのレベルに適しているんだそうです。ステップ5でつまづく場合は、背伸びピースであるということ。
そして、身の丈に合った曲であれば、ステップ5が終わった時点で、一気に理想の速度にいきなり上げちゃっても、あら不思議、両手合わせてなんとか形になるそうです。
え〜、ウソでしょう?と思う方、是非お試しを。シャロンメソッドを知る前の私は、少しずつスピードを上げながら、練習していました。逆に、超ゆっくりの速度で片手ずつ10回繰り返すよう練習はしていなかったと思います。一回合わせて弾けたら、次々と速度を上げていってました。
ステップ3〜5の段階で、理想の速度の2倍の遅さで弾くというのは、結構忍耐が必要です。ゆっくり過ぎて飽きてきます。それでも決して速度を上げずに、必ず右だけ、左だけ、そして両手合わせて、それぞれ10回ずつは徹底すること。どんなに簡単だと思っても、ゆっくりの速度で耐えるのです。そうすると、最後に理想の速度に一気にもち上げても、弾けてしまうんですよ。あくまでも自分のレベルに合ったピースのみで有効なアプローチです。長い曲は、1ページずつに区切ってやることをオススメします。
練習方法は人それぞれ、合う、合わないがあると思いますが、もしこのアプローチを試したことがない方は、一度トライしてみてはいかがでしょうか。このシャロンメソッド、私はもっぱら新曲の譜読みに便利に使っています。煮詰まってきた曲で苦手箇所の部分練習にも効果的な方法です。ステップ6で一気に理想の速度に上げて、弾けちゃった時には、まるで魔法のよう。おぉ〜!と感動しますよ〜 ♪
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コメント
(あ、ブログは読ませていただいてますよ!)
まさにどうやったらスピード上げられるんだろうかと
悶々とていたところだったので早く試してみたいです(≧∇≦)
新しい曲に取り組み始めて、ゆっくり練習を意識していますが、
まだまだゆっくり期間が足りないようです。
具体的な回数も指示されたメソッドなのでぜひ取り組んでみたいです。
ただ、自分に合ったレベルの曲なのか背伸びなのか
思い知らされてしまうのはドキドキですが。
今練習し始めた曲は変奏曲で一変奏曲が長くないので、
試すのにちょうど良さそうです。
とても興味深い記事をありがとうございます
私もどんぴょんさんのブログは読ませていただいてますよー。
このシャロン先生の練習方法、私には結構合っている練習方法なので、シェアしてみました。是非試してみてください。
確かに自分に適したレベルなのか思い知らされてしまうのはちょっとドキドキですが、この先生の言うことが全てではないし、ゲーム感覚で試してみるのもおもしろいです。逆にできた時はすっごく嬉しくなるものですよ。
メトロノームをじわじわ上げていくのは定番ですが、世の中で言われているほどベストな方法なのかなぁ?と感じていたので、ご紹介してくださったメソッドにとても興味を持ちました。そして、きっとそうに違いない!と思いました。
私の場合は、背伸び曲ばかりなので、シャロンメソッドの対象外のことが多いですが、背伸びではない時は是非試してみたいと思います。あと、背伸び曲の場合でも、最終的に弾きたいテンポを最初から常に意識する(あくまで意識ですが)ことが大事みたいなので、その点はシャロンメソッドのステップ1と通じるところがあるように思いました。
とても参考になる情報をシェアしてくださり、ありがとうございます!