ゴールはあなたが決める

[先生との会話で心に響いたこと] シリーズ 

私の先生はまだ若い。
20代で指導歴も短い。
若いから、教えてきた生徒の人数ももちろん少ない。
でも私はいつもこの先生からハッとするようなことをたくさん習ってきた。

過去のレッスン記はこちら

先日のレッスンでもハッとした。以下、ど先生に言われた言葉を忘れないうちに書き留めておく。

当たり前のようなことのようにも聞こえるけど
もしかするとそれを見失っている生徒が多いのかもしれないなと

私も見失うことがあるから、時々リマンダーとして思い出させてもらうと心強い内容。


ゴールはあなたが決める


「私たち教師のゴールは、なりたいあなたの像に少しでも早く辿り着けるお手伝いをすること」

「プライベートレッスンなのだから、教師の指導方針は生徒ごとにカスタムメイド。個々の生徒によって取り組む教材も合格の基準も違うのです。」

「だから『なりたいあなたの像』、『あなたのゴール』を明確に私に教えて下さい。」

「プロのピアニストでも、常に改善の余地はあり、パーフェクトと言う演奏は一生かかってもできないと言うのがアートの世界。満足度は人それぞれで、no right answer、正しい答えなんか無いんです。」

「あなたがこれで良いと思ったところが終点でいいんです。」

「“ここで合格で良いですか?”とあなたはよく私に聞くけど、あなたが満足できたと思えるなら、そこがあなたの合格地点なんです。」

「そう、だからゴールはあなたが決めて下さい。」

「あなたのゴールを私になるべく明確に、細かく教えて下さい。」

「私はそこにあなたが1日も早く到達するのをお手伝いするための練習方法を提案します。」

「Gariさんは山歩きが好きだけど、すべての山の頂上へは登れないでしょ。ピアノも同じ、私たちには老いも若きも時間は限られていて、全ての曲は弾けません。」

「だからあなたが登りたい山を選んで下さい。あなたが弾きたい曲を選んで下さい。」

「ゴールを決めるのはあなたです。」

以上、ど先生の言葉でした。


登ると危険な山もある。時間がなくて頂上まで行けない山もある。ある程度良い景色が見えるところまで歩いてその日の山歩きは満足すると言うこともある。むしろそういう歩き方の方が多い。実際、ハイカーは頂上を目指さない山歩きをすることが多い。たとえば中間地点の湖までとか。それでもすごく満足だし、達成感も感じる。頂上へ行けたら、そりゃもっと素晴らしいものは見えるのだろうけど、今の実力、体力では危険すぎて行けない。おそらく一生行けないから諦める山の方が多い。

再開1年目に弾いたショパンのバラード1番。もちろん自分の実力では到底さばけない曲だということは最初から分かっていた。もしかするとこれからの残りの人生でできる範囲では、どんなに頑張ってもまともに弾けないレベルの無謀曲である可能性大。でもその時の自分にできる範囲で、スピード落として、ミスタッチ多くても、憧れのバラードをやった、やれたということがすごく嬉しかった。だから、それで良かった。その気持ちをど先生は汲んで、付き合ってくれた。その時の私のできる範囲で改善できる点を教えてくれた。

指導者の中には、大人の生徒でも子どもの生徒でも、標準化されたプログラムに沿って、その生徒のテクニカルなレベルに即した曲を、順を追ってレッスンを行っていくというポリシーの方も多いかもしれない。基本的には、時間に余裕が有るという前提では、そのやり方が一番の正論なのだろう。でもそのやり方だと、大人のピアノ愛好家に必要以上の課題を与える結果、先に進むのが遅くなったり、弾きたい曲をレベルが高すぎるという理由で弾かせてもらえないこともある。私がバラードを習える日は、10年粘っても来ないかもしれない。

先生と生徒の「ゴール観念」がピッタリと一致すること。もしかすると、一番大切なことかもしれない。




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コメント

KAORU さんの投稿…
Gariさん、こんばんは-。
すごくいい記事〜。
ピアノに限らず、自分で決める、大事ですよね。
Gariさんのブログは勉強になるな〜。
Gari さんの投稿…
KAORUさん、こんにちは。コメントありがとうございます。良い記事と言っていただいて恐縮です。ただ先生の言葉を記録しただけなのですが、自分より何十歳も若い先生に、ピアノの弾き方はもとより、人生勉強的なことまで習っている次第です。確かにKAORUさんのおっしゃるとおり、「ピアノに限らず」何事も自分で決めることって大事ですよね。私は特に周りに流されたり、「これでいいのかな?」と疑問に思いつつも正直に自分の気持ちを伝えずにダラダラ時間をかけたり、「自分が無い」と思うことが多いので、今回の先生からの言葉にもハッとしたのでした。