「練習曲」としてのインヴェンション

本日は、インヴェンションを「練習曲」として取り組んでいるGariさんに進捗状況を伺ってみようと思います。

実際にインヴェンションを練習曲として使ってみた感想は?

もうひとことで言うと「楽しい!!」ですね。
ピアノを再開して1年目は「曲」としての取り組みでインヴェンションを2ピースやりました。その段階でバッハが大好きになったので。基本的には「好きだからやれる」と思っています。嫌いなピースだったら苦痛以外のなにものでもない。


ひとつの教本を全曲網羅したことはありますか?

子どもの頃ね、ツェルニー30番だけ(苦笑)。それ以外の教本は網羅したことないです。ひとつの教本を全て網羅するという取り組みがそもそも私は苦手なんです。子どもの頃ツェルニー30番、40番とか、インヴェンション、シンフォニアのテキストを渡された時、ここに載ってるすべてのピースを練習しなきゃいけないのかというプレッシャーに苦しんだ記憶があります。そしてそれが原因でピアノが嫌いになったと今でも思ってます。


現在の先生は今回の取り組みをどう見ていますか?

現在はカナダでピアノ習っているので、カナダロイヤル音楽院のシステムに沿ったかたちで取り組んでいます。将来ピアノを職業にしようとか思っていないので、先生が大人の趣味のピアノ用にアレンジしてくれたゆるゆるのプログラムで進めています。カナダのシステムではひとつの教本を全曲網羅するというアプローチは全くしません。なので先生は私がインヴェンション15曲全部やりたいと言った時には驚いてましたね。同じレベルの曲をそんなにたくさんやらなくてもいいんじゃない?とおっしゃってました。でも生徒の意志を尊重する先生なので否定はしませんでした。


なぜ敢えてインヴェンションを練習曲として使うことにしたんですか?

ピアノブロガーさん達の影響が大きいですね。多くの方たちがインヴェンションは15曲全て取り組まれているようなので、昨年あたりからインヴェンション全部やってみようかなと思うようになってきました。尊敬しているピアノブロガーchiyさんからの影響が特に大きかったです。chiyさんはピアノの取り組み方について常に真剣に深く考察されていて、いつもありがたく読ませてもらっているのですが、その中でもインヴェンションを練習曲として使うという説得力のある記事に非常に感銘を受け、私もやってみたいと思うようになったんです。ただし私の場合は、まず15曲をひと通り弾けるようなところまで持っていくことからのスタートです。


「練習曲」として取り組むというのは、何か違いがあるんですか?

「練習曲」として取り組むのと、いわゆる「曲 (メインのレッスン曲)」として取り組むのとはちょっと違うんですよね。あくまでも私なりの個人的な考えなんですが、心構えが違うというのかな?なんか言葉で現すのが難しいけど、意識の中での微妙な違いがあるんです。「曲」として取り組む時は、ひとつのピースを大きく捉えて、音楽性、表現力など芸術面に重点を置くというのでしょうか。「練習曲」として見た時には、もっと基本に帰るというか、技術的、数学的なところに重点を置くような感じです。合格の基準も「練習曲」の方が低いです。ある程度できたら次と、割と少ない投資時間でさくさく次へ行きます。


数学的?

音楽って数学だと時々思うんですよ。指番号とか、1音1音の長さを正確に刻むとか。和音が何度離れているかとか。ポリリズムなんか、まさに数学ですよ。右手5連符左手3連符なんて、5と3の最小公倍数で1小節分けてみる(笑)?もう頭こんがらがって。インヴェンションは特に右手と左手の音価がぴったりと合うように。0.5秒でもズレがあると気持ち悪い(笑)。気持ち悪いのに容易に直せない。


インヴェンションはどういう順番で取り組んでいるんですか?

最初に取り組んだ2曲は、ランダムな思いつき。その後はネットで調べて、難易度の低いものから順番に。

こちらのサイトを参考にさせてもらいました

やはり全曲網羅するつもりなら、難易度順に取り組むのが効果的だと思います。
下図の難易度の色分けは田所先生の閻魔帳のレベルに基づいて作ってみました。




インヴェンションを練習曲として使ってみて、もう少し具体的に何か発見できたことを聞かせてもらえますか?

2声のバランス 右手と左手がそれぞれの声部を独立して担当する
テーマが聞こえるように
アーティキュレーションの入れ方
音価を揃える
トリルの入れ方、トリルも様々な種類がある

上記はバッハのピースで基本的に抑えたいことで、先生にも毎回同じことを繰り返し言われるのですが、それを違うピースで繰り返し学んでいくことによって、少しずつ身について行くという実感があります。最初のうちはアーティキュレーションをどこで入れるのかすら分からず、先生に鉛筆で切る場所を書いてもらっていましたが、いまはなんとなくここで切るとカッコいいかもということが譜読みの時点で分かったり。前のピースで習ったことが、次のピースで出てきた時に、あ〜これこれ、というファミリアリティーのような感覚。そういう少しずつの積み重ねが自信に繋がっていく感じです。インヴェンションを2〜3曲だけ抜粋して終わりにしていたら、なかなか気づけなかったことのような気がします。

なかなか充実した経験ができたようで良かったですね。これからも残りのピース、頑張ってくださいね。

はい、あと残すところ4曲なので、がんばります。ありがとうございました。


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