ヤコブさんのコンサート

本日はピアノ愛好家としてのプロDデーをやってきました〜

プロDデーって、Professional Development Dayの略で、通常の業務から離れて、自分の専門の知識を伸ばす目的での研修へ行く日ということです。学会に参加したり、社外の研修会へ参加したりと言った活動ですね。小学生達は、先生のプロDデーの日は学校がお休みになるので、子ども達もプロDデー大好き。「プロDデー=お休み」と思っている子どもも多いかも。

ピアノ愛好家としては、やはりプロのピアニストのコンサートへ行くということが、手っ取り早いProfessional  Development ですよね〜♪ って、ピアノを職業にしている身じゃないのに”Professional” 言うのも憚られますが、まぁカッコ良く聞こえるから◯。

バンクーバーはコロナ禍も収束の兆しが見えてきています。レストランも今までは50%キャパシティー、お酒は夜9時以降は出さないなどの規制がありましたが、現在は100%キャパシティーに変わり、4月8日からはワクチン摂取の証明すら必要なくなります。つまりコロナ以前の通常の生活に戻るということですよね。

先月からコンサートなどの大人数のイベントもフルキャパシティーで興行可能となり、公共の交通機関でも今まではマスク着用が義務付けられていたところが、現在は「個人の判断に任せる」という指示に変わりました。

2月にブルース・リウ君のコンサートへ行った時は、まだ50%キャパシティーで、マスクも必須だったのに、今日のコンサートはほぼ満席、マスクをしている人は全体の半分以下でした。

さてさて、本日のコンサートはショパコンで愛実ちゃんと同立4位に輝いたJakub Kuszlik さんでした。でもね、本当は2005 年のショパコンで優勝したRafal Brechaczのコンサートのはずだったのです。ところが2ヶ月ほど前に、ラファウさんが健康上の問題で、今回は代役としてヤコブ君が来るというお知らせをもらいました。ラファウさんはみなさんもご存知かと思いますが、2005年のショパコンで優勝し、マズルカ賞、ポロネーズ賞、ソナタ賞、コンチェルト賞を総なめにしたという歴史に残るショパン弾きですよね。健康上の問題ならやむを得ないのですが、かなり残念でした。以前にピアノブロガーさんの方から、ラファウさんの演奏会はよく健康上の都合でキャンセルされると聞いていたのですが、まさか自分が行こうとしていたコンサートでそうなるとは思ってもいませんでした。



代役で演奏したヤコブ君に話を戻します。彼の演奏はとても素晴らしかったです。とにかく音がメローですごく温かい。プログラムは全てショパンで、2時間まるまる酔いしれました。前から三列目の舞台に向かって左側の席を取っていたので、彼の顔は全く見えませんが、手元はしっかり見える好位置でした。彼のタッチは、本当に鍵盤を撫でているだけのような感じで、大きなフォルテの音も鍵盤を押し込むような力のベクトルとは正反対の「音をつかみ上げている」ような力の向きが見えるんです。「指で弾かない、攻撃しない、鍵盤を押さない」と先生に散々言われますが、ヤコブ君を近くで見させてもらって、「ああ、こういう感じなのね」ということはよく分かりました。自分でやるのはすっごく難しいんですけど、こうしてビジュアルに力の移動の向きが見える、まるで矢印が見えるというような現象は初めての体験で、感動しました。音が上に上がっていく、ピアノの弦を真芯で捕らえるというのでしょうか、野球で言うとバットの芯にボールが当たるような感じ。彼の醸し出す音は、1音1音がコンスタントにベストポイントをハンマーが叩いているという物理が見えると言いましょうか。あ〜感動を言葉にするのは難しいわ。でも私のプロDデー、ほんとにまたいろいろ学ぶことが多い貴重な時間でした。

プログラムにはショパンとブラームスを演奏すると書かれていたのですが、実際は全曲ショパンでした。私は断然ショパンファンだし、元々ラファウのコンサートもオールショパンということになっていたので、お客さんは喜んでいたと思います。アンコールの前にヤコブ君が「今回は僕とマネージャーのコミュニケーションミスで間違った曲がプログラムが印刷されていて申し訳なかったです。中にはブラームスを聴きたかった方もいらっしゃったかと思うので、アンコールはブラームスをお届けしましょう」とスピーチしてから弾いてくれました。彼はおとなしそうで、人前で喋るのは慣れてなさそうな感じでした。こういうショートトークもなんか心温まる感じで、彼のお人柄が見えて良かったです。やっぱり生の演奏は行く価値大ですね。火曜日の仕事の後、夜7時半から9時半までで、終わって家にたどり着いたのは10時半でしたが、素晴らしい演奏を聴いて、やはり行って良かったなぁと改めて思いました。








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コメント

ゆにくあ さんのコメント…
Gariさん、こんにちは~!

Gariさんもコンサート代役だったとお聞きしたので、
遊びに来ました。 お互い、ちょい残念でしたね笑

一流のピアニストの演奏を生で聴くことは、
素晴らしい経験になるなって、私も思いました。
Gariさんのように、上手に描写することが出来
ませんが・・自分が思っていた以上に、繊細な
タッチで弾いている&無駄の一切ない省エネな
演奏をしている印象を受けました。


それで少し話が逸れますが、うちの長男すごく
ゲームがうまい人で、あまりに鮮やかなので
ある時「どうやっているの?」と訊いたら、
「画面上の細かいところを見るんじゃなくて、
大きな流れに沿って最短距離で動くのがコツ」
って返事だったんですが、それと似てるな
って思いました。。
Gari さんの投稿…
ゆにくあさん、こんにちは。いや〜同じタイミングで代役とは奇遇でしたよね〜。「ちょい」じゃなく「かなり」残念でした。っていうとヤコブ君には申し訳ないけど。ショパコンではヤコブ君もかなりの実力者ですごいとは思っていたけど、ラファウを見たくて買ったチケットが同じ金額のまま代役とはなんとも。。しょうがないですね。私もピアノで代役にあたってしまったのは今回が初めての体験です。私の場合は地元だし、事前に知らされていたのでまだ諦めもつきますが、ゆにくあさんはわざわざ飛行機に乗って憧れの神を観に行ってるので、残念感倍増でしょう。でも母娘で笑いながら会場を後にしたという光景も微笑ましくて良いわ。実は私も母娘だけの2人旅でNYへ行ったことがあるので、ゆにくあさんのところと共通点が多くてますます親近感が湧いちゃいます。スカンクは共感されませんよね。。そりゃそうだ。機会があったらバンクーバーに遊びに来てください。スカンク、可愛いですよ😆。

大きな流れに沿って最短距離。なるほど面白いゲームとの共通テク。0.1秒を縮める最短距離、なかなかできませんよね。いつも無駄に大きく移動してしまっているんで、速い曲は手に負えません。