カナダでピアノ⑤ 受験が無い国

カナダは受験が無いんですよ〜。
いい国ですね〜。

と思うかもしれませんが、受験の無いカナディアンの子供たち、かなりしっかり勉強しているように見えます。


受験が無い。じゃぁ大学にはどうやって入るの?

 ハイスクール3年間の成績表
 大学の指定する質問書
 リファレンス
 学科よっては面接、オーディション


成績表
良い大学に入るには、ハイスクール最後の3年間、常に良い成績を取り続けなければいけません。「ストレートA」日本で言う「オール5」なら、希望の大学、学部に入れるケースが多いです。成績票にはA、B、Cなど文字のグレードに加え、点数も併記されてます。Aは100点満点で86点以上のこと。最も入るのが難しい大学のビジネススクールは、ハイスクール3年間、全ての教科(音楽や体育含む)の平均点が96%以上ないと入れない(毎年公表される合格者の最低点が96%だった)。こんなすごい成績とる子、ひとつのハイスクールから1人すらいないことの方が多いです。しかし、成績だけ良くても大学に合格できないんです。

リファレンス
生徒のことをよく知っている、比較的社会的地位の高い大人2〜3名の名前を提示します。私の娘の時は、ハイスクールの担任と、ピアノの先生にお願いしました。大学の採用担当は実際にリファレンスに電話やemailで連絡を取って、生徒が信用できる人間かを確認するそうです。

面接、オーディション
オーディションはご想像のとおり、音楽学部、演劇学部のことですが、面接は割りとレベルの高いビジネススクールでやっています。日本では医学部、歯学部、法学部あたりが一般的に「入るのが難しい」学部と言われてますが、カナダではこれら専門学部はマスター(修士課程)、ドクター(博士課程)と同様の扱いなので、一度大学の学部(バチェラー)を卒業してから入り直すんですよ。なので、一般的に難しいと言われるのはビジネススクール(商学部)や工学部、理学部なんです。ビジネススクールに面接があるのは、やはりビジネスをしていく上で、しゃべる力、アピールする力を見たいからなんでしょうね。

大学の指定する質問書
これ、かなり大変なんです。難しい大学になればなるほど、内容の濃いことを要求されます。文章力も間違いなく試されてます。なぜこの大学、学部を選んだかとか、長所、短所、勉強以外で何か打ち込んだ活動はあるか、今までで一番達成感を感じた瞬間は?、今までで一番苦労した経験は?などなど。全て書き上げるとおそらく10ページくらいに及びます。

私は日本で普通に受験して県立高校行って、一年浪人して大学受験というごく一般的なルートをたどってきました。高校時代は遊びほうけていて、ある意味酷い成績を取ることを自慢にすらしていた時期もあり。高校3年になってラストスパート!は効かず、一浪しました。ハイスクールで高い成績を3年もキープし続けるプレッシャーは想像を絶するものがあります。


すみません。前置き長くなりましたが、なんでタイトルが[カナダでピアノ]なのか?
そう、カナダの大学入るために、勉強以外で何かやってないと入れないんですよ。ただお勉強ができるだけの子どもは取りたくないということです。なので、大学に入るために多くの子どもはスポーツか音楽、熱心な子は両方やってます。ハイスクールには「部活」というシステムもないので、スポーツ、音楽は個人的に習いにいく、もしくは地元のスポーツチームに入るなどしなければなりません。しかもただやってましたというだけでなく、書ける結果があると尚更効果的なので、地方大会で賞を取るとか、それなりに勉強以外の活動にも時間をかけなきゃいけなくなるんです。そんな事情で、カナダの子どもたち、大学に入るためだけにピアノを習ってる子、すごく多いです。しかもカナダロイヤル音楽院(RCM)はレベルごとに試験があるので、「書ける結果」を取るのが比較的楽なんです。しかし音楽にしろスポーツにしろ、小学生の頃から始めてないと「書ける結果」を得るのは難しいんで、カナディアンの大学進学対策も既に小学生のうちから始まっているということですね。「ところ変われば」という話でした。



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