早いものでもう明日から12月。ピアノ弾きの皆さんは、来年の選曲祭りを楽しんでいる方も多いのではないでしょうか。選曲と言えば気になるのはやはり難易度。
田所先生の閻魔帳
田所先生の閻魔帳でピアノ曲を28段階のレベルに分けて紹介されていることは多くの大人ピアノ学習者のみなさんがご存知かと思います。他のサイトでもこのような難易度表記は紹介されていますが、その多くは7〜12段階程度に分けていて、田所先生のように細かく28段階にも分けて下さっていると、ピアノ学習者としてはすごくありがたいですよね。
田所先生はこの一覧をどのように使っていたか
田所先生の息子さん、田所理央さんは実際に田所先生について習っていたようで、現在のウェブサイトの管理人にもなっていらっしゃいます。彼の経験から田所先生の教室のレッスン方法について書かれていました。
田所先生のお教室では、レベルごとの一覧表を使っていたようですね。各レベルごとに50曲リストされています。生徒さんたちはレベルが上がるとその一覧表の50曲を全て音源から聞いて、自分が弾きたい曲を選ぶそうです。各レベルから8〜10ピース選んで取り組んでいたそうです。私はいつも作曲家別のリストの方をよく見ていましたが、このレベル別一覧もすごく参考になります。作曲家ごとのページには載っていないレアな曲も結構入っていますね。
さらに読み進めていくと、
「本人はこの一覧をどのように使っていたか」という興味深いページを見つけました。
引用先はこちら↓
田所先生はざっくりと以下のように初級、中級、上級と区分されていたそうです。
難易度レベル 1〜10 初級 1年で3レベルくらい進む
難易度レベル 11〜20 中級 1年で2レベルくらい進む
難易度レベル 21〜28 上級 1年で1レベルくらい進む
『初級は3曲同時進行で2週間くらいでマルがもらえる、中級は2曲同時進行で3週間くらいでマルがもらえる、上級は1曲ずつで1ヶ月すればマルがもらえる』
これ、とても興味深く、参考になりますね。他の先生はどのくらいで合格させてくれるんだろう?平均的にどのくらいのスピードで次のレベルに上がっていくもんなんだろう?大人のピアノ学習者の皆さんはこういう疑問を感じる方が多いのでは?田所先生のカリキュラムだと、各レベルから8〜10ピース、上述のペースでマルがもらえるということは、すごく速いペースでたくさんの作品に触れる感じですね。
田所先生の生徒さんの多くが子どものピアノ学習者だったであろうことを推測すると、上記の一般的な進み具合は子どもの場合と言うことなのでしょうが、大人の私たちにとっても参考になると思います。
これに基づいて単純計算してみると、初級は最初の3年程度で終わる。中級はその後5年程度かかる。おそらくこれは音大を目指している人のための指標ではなく、一般的なピアノ学習者のごく平均的な伸び率に基づいている田所先生の経験値から示唆されたものだろう(と思いたい)から、まぁ普通に1日1時間くらい練習する真面目な子どもなら8年でレベル20が終了し、9年目には上級レベルくらいは行くというふうに解釈しても良さそう?
なんでもグラフにすればいいってもんじゃないけど、一応してみました。
たしかに子どもの方がものごとを吸収する速度が速いとは一般的に言われていますが、大人には大人の強みというものもあると思います。大人は自らやりたくてやっている人がほとんど。親に言われてしぶしぶやっている子どもより遥かに真面目に練習していると思います。大人になってからピアノを始めた方々も最初の3年は初心者、その後は中級者という方、結構多いような気がします。中には、子ども以上に速いスピードで上達している方もいらっしゃいますよね。大人の学習者さんの中にはかなりご謙遜される方も多いけど、ピアノブロガーさんたちのブログを拝見すると、かなり短い年数で中級レベルの曲を弾かれている方が多いようにお見受けします。そうすると、上記の指標は大人の学習者にも充分あてはまるのではないかという気がします。中級ピースの代表例 ↓ お馴染みのピース、多いですねぇ。
上級の壁は手強い
上級はレベル21からスタートして1年に1レベルずつ上がるのが一般的と書かれていました。レベル21から28までたどり着くのに8年かかるということですね。とすると、理論的にはトータル16年の投資でレベル28まで行けるということ?あくまでも初級からきちんと標準的に求められていることをやっていければという前提付きなのでしょうが。
レベル21と28の差は極めて大きいということで、一括りに上級というのは幅が広すぎかも。練習に必要な年数から見て、レベル21〜24までを上級、25〜28を最上級という感覚でしょうか。
でもきっとそう理論通りには行かなそうなのが上級のレベル。どこかで飽和点、これ以上は無理というラインが出てきそうな気がします。なんとなく感覚的に。未知なる世界なので、自分自身で年数を重ねて検証していかなきゃならない部分です。
曲の難易度としてのレベルは28までとされていますが、演奏のレベルとしてさらに上にふたつのレベルが書かれてありました。
レベル29 ひとりでリサイタルが開けるレベル
レベル30 国際コンクールで上位に入るレベル
まとめ
田所先生の一覧表に沿ったやり方でピアノを学習した場合、だいたい一般的には最初の3年は初級、初心者。ピアノ歴4〜8年の生徒は中級。9年以上が上級という感じで進んでいくようです。
レベル21から先は、ひとつのレベルに1年はかかるということ。上級の壁は高くて乗り越えるのが大変と言うことですね。
大人の学習者さんはそれぞれに目標としているものも違うでしょうから、一概に高いレベルの曲を弾くことが上級というわけでもないですよね。
田所先生のお教室での閻魔帳の使い方を読んで、こういう感じで進めていったんだなぁと参考になりました。
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コメント
いろいろ分析などをされていて本当にすごいですね。
きっとそういう性格が影響されて
ピアノだけでなく塗り絵も上手くこなされているんでしょうね。
…適当な僕は圧倒されるばかりです��
先ほどおやすみさないしたはずが、この記事、おもしろく、まだ起きてました。
田所先生の閻魔帳、知りませんでしたー😅
僕は、ピアノの難易度が、あんまりわかりません。楽譜を見て、あー、これは、右手で内声とメロディーあるから難しそうだなぁとか、なんとなくは、、、というところですが、こんなレベル別の表があるとすごくわかりやすくていいですね!
Gariさん分析によると、9年以上が上級なんですね。
と、なると、僕の場合はなかなか進みがゆっくりなので、係数の2をかけて、、、😵
がんばります!
Gariさん、理論立てて物事考えられてさすがです〜。
ソーシャルスタイルという考え方があって、人は4つに分類されるそうです。
創造型、調和方、結果重視型、秩序型。
詳しくはソーシャルスタイルで調べてみてください。
Gariさんは結果重視型かなぁ。
僕は創造型なので、感覚優先で失敗してしまいます〜。
おやすみなさい💤
ソーシャルスタイル、早速調べました。分析屋なので、こういうの好き♪ KAORUさん、鋭い!私は確かに多くの面で結果重視型です。結果オーライとか、終わりよければすべてよしとか、過程はどうでもいいとかそういう言葉大好き。でもね、ピアノは過程おろそかにすると結果ついてこないんですよねぇ。創造型の人はピアノに合ってそうですよね。感性と想像力が豊かで自然に音楽性のある弾き方ができそうです。KAORUさんは芸術家肌ですね。きっとぬり絵もお上手かも😄