本日11月11日はカナダの祝日。1918年11月11日は第一次世界大戦の休戦協定が結ばれた日で、それにちなんで戦没者追悼記念日として祝日となっているそうです。今日が木曜なので、金曜はついでに有給くっつけて嬉しい4連休。
せっかくのお休みなので、何か音楽に関する映画でも見ようかと思い、Netflixを探していたら、「Immortal Beloved」という映画を見つけました。ベートーベンの生涯を題材にした映画で1994年にリリースされたもの。日本語のタイトルは「不滅の恋」。ベートーベンの不滅の恋?と聞いたらピアノ好きは飛びつきそうですよね。主役のベートーベンをGary Oldmanが演じています。Gary Oldmanはなかなか味のある俳優さんですよね。彼の演技で特に印象に残っているのは、ハリーポッターのシリウス ブラック、そしてJFKの暗殺者のオズワルド。それからこの映画の準主役、ベートーベンのアシスタントかつ親友だったというアントン シンドラー役の俳優さんがシューベルトにそっくりで驚いた。
ベートーベンの死後に見つかった遺書に、「私の全ての財産を『不滅の恋人』に捧げる」と書かれていたそうで、物語はその『不滅の恋人』を探すというもの。あれ?ベートーベンって結婚してなかったよね?恋人さえいなかったような?という自分のうろ覚えの記憶をたぐり寄せ、また後でちょっとベートーベンについて調べなきゃと思いながら観ました。
ネタバレになるような内容はここで書くつもりはありませんが、この映画のタイトルになった『Immortal Beloved』とはベートーベンが実際に10ページに渡って書いたというラブレターの宛名なんだそうです。このラブレターは現在ベルリンの図書館に保管されているとWikipediaに書いてました。
ラブレターの宛名なので、「不滅の恋人へ」と訳されるとちょっとピンと来ないのは私だけ?だって恋人っていうとなんか、両思いの人って言うニュアンスあるし。僕の愛は不滅だということなんだというのはわかるけど、外国語を翻訳するのは難しいですね。元々はドイツ語だったのを英訳したのが『Immortal Beloved』だからすでにここでも少し訳に無理がある可能性もあるわけで。Belovedは直訳すると「愛される人」、片想いでもいいからとにかく自発的に愛する人、見返りを期待しない愛、無償の愛、というニュアンス強いです。もちろん両思いの場合も入るし、恋愛だけでなく、家族愛もBelovedは当てはまる。私だったら「永遠に愛するあなたへ」としたいかな。
さすがベートーベン、あえてその女性の名前を明かさずにそんなラブレターを残して逝ってしまったなんて罪なお方。その女性のために書いた曲、その女性を想って書いた曲とかあるに違いないですよねぇ。その手紙は1812年に書かれたというところまではすでに確認されているようで、1812年より少し前あたりに作られた曲を調べてみたら、ピアノソナタのテレーゼ、かっこう、告別が1809年。エリーゼのためにが1810年。テレーゼとエリーゼがあやしい(笑)。
歴史研究家は真剣にこの女性を同定しようと様々な研究がなされているみたいです。有力な候補者というのがすでに数人上がっているようで、この映画の中にもそのうちの数人が出てきます。ただこれはやっぱりハリウッド映画なのでね。監督個人の解釈もしくは想像で締めくくられていて、いろいろ波紋をよんでいるようですが、ベートーベンの音楽がたくさん使われているし、Garyは実際に役作りのために6週間にわたって1日6時間ピアノ練習したということで、映画の中でもベトソナや協奏曲の一部分を弾いててすごい。結構楽しめる作品でした。でもお子様には見せたくないシーンもいくつかあるのでお気をつけ下さい。
コメント
以前にもコメントしたのですが、反映されてなかったみたい。。
Immortal Beloved、邦題をつけるのが難しそうなタイトルですよね。そのうち観ようと思いつつまだ観ていませんがよかったですか? ベートーベンの映画、というと私はCopying Beethovenが好きでした。こちらは主に第9にまつわるエピソードに焦点を絞っているので、ソナタはあまり出てきませんけれど。
Gary Oldman、なかなかの個性派俳優ですよね! 私は、レオンの時の彼が一番好きかなぁ~
この映画、「よかったですか?」と聞かれると、素直にハイとは答えられない感じです。結末が、真面目に音楽史とか勉強した人には許せない感じみたい。私はそこまで前知識無しで見てたので、えーーー?というちょっとビックリな展開で、映画見終わってから調べたんですよ。でも結局誰にも証明できてないことなんで、監督の解釈を全面否定することもできないんですけどね。私にはGaryが好きなので、彼の演技力とベートーベンの音楽でそれなりに楽しめました。レオンの時は彼に注目してなくて、後からそうだったのねと。もう一度レオン見直さなきゃと実は最近思ってたとこです。
「不滅の恋」って邦題すごいですね。「アマデウス」は有名ですが、ベートーベンの映画あるんですね。知りませんでした。興味しんしんです。
私もちょうど今、ベートーベンのソナタに取り組んでいるので、音楽に関する映画というか、昔みた「眺めのいい部屋」の主人公が、たしかテンペストだったかな、弾いてたなあ〜と思い出して、またみてみようかなと思っていたところでした。ベートーベンは情熱的ですよね。それでいて、ちょっと儚くて、美しくて、せつなくて、いい曲ですよね。でも難しくて、絶賛、迷走中です。