やっていいのか無謀曲

9月からショパンの別れのエチュードを練習している。どうみても無謀曲、背伸び曲なのはわかっているけれど、敢えて取り組んでいる。私にはドリームオハコが18曲 (過去記事:Dream Big)あって、それがほとんど今の実力では無謀曲のオンパレード。でもいつまで健康で手がちゃんと動くかわからない微妙な年齢であることを考えると向こう10年のうちにとりあえずこの18曲、なんとかしたい。大曲ばかりだから1年に2曲取り組めればいいとこ。それを考えると無謀でも今やらなきゃいけないと思う。

こういうことを考える時にいつも思うのが、しっかり自分のレベルに戻って、きちんと順を追ってピアノを学習していった方が、最終的には近道になるんじゃ?という思いが頭をよぎる。例えば5歳からピアノを始めた人が普通に1日1時間くらいの練習量で10年間ピアノ を続けて15歳で英雄ポロネーズを弾けるというのが平均的なルートだという仮説を立ててみる。でも10年間真剣に練習すればみんな英雄が弾けるようになるかというときっとそうじゃない。大人から始めたら子どもから始めた人の何倍かかるんだろう?2倍くらいなら、1日2時間練習すれば、やっぱり10年で英雄が弾けるのか?でももし子どもの5倍かかるなら、物理的にそんな膨大な練習量を日課に入れるのは到底無理。

以前も書いたが、Gari家は家族3人ともピアノを真面目に学習中。娘は5歳から始めて一度もピアノを休む期間なく1日1時間平均くらいでやってきたケース。現在21歳だから16年のピアノ歴。一応ショパンの英雄やバラードは少し練習すればすぐに弾けるようになるというレベル。まぁ、これは大人学習者には参考にならない。普通に子どもの時期からコツコツやればそういう域になれるということ。

オットは大人になってからピアノを始めたケース。子どもの頃のピアノ歴ゼロ。最初は楽譜も読めなかった。40代の頃、カンパネラのおじさんに影響されて、ラ・カンパネラだけを練習して一応超ゆっくりだけど2年くらいで通して弾けるようになった。オットは基礎がなくてもカンパネラが弾けることを証明してくれた。もちろんカンパネラのおじさんほど完璧には弾けないけどね。でも今は「急がば回れ」「しっかり自分のレベルに戻って」というやり方で攻めている。きちんと一から出直す形でピアノを習い始めたのが2020年の1月、52歳からのスタート。今は「エリーゼのために」や「インヴェンションNo.1」のレベルまで上がってきたところ。彼は最初にカンパネラ無謀中無謀曲をやって、やはりきちんと基礎に戻っていつか無謀曲が無謀じゃなくなる日が来ることを信じて取り組んでいる。

私は子どもの頃 不真面目に6年くらいピアノをやったことがある出戻り組。今の私は一応基礎も軽くさらいながら、「今弾きたいと思う曲を無謀と承知で弾く」というやり方でがんばっている。なんとなくオット方式の方が順当なのだろうという思いは片隅にあるものの、やはり「今弾きたいのよぉ〜」という思いが先に立つ。ちなみに去年の無謀曲はバラードNo.1で、結局最後のコーダは攻略できず、中途半端な仕上がりで一旦幕を閉じたという苦い経験があるのにまだ懲りてない。先生もオット方式を推奨しているが、聞く耳もたずの生徒をコントロールできずに「まぁ、大人の生徒さんだから好きにやらせてあげましょうかねぇ」という感じなのだろう。でも数ヶ月前にちょっと真顔で「Gariさん、バッハはInventionに戻りましょう」と言われたところ。

10年後、オットに負けていたら、オットの戦略の方が正しかったということになるなぁ。オットはいつも「ライバルはGari」、「10年後、ぎゃふん言わせちゃる」と言ってる。確かに10年後、どうなってるか興味津々だよ。ま、夫婦でそれぞれケーススタディということで、敢えて違う取り組みをしていくのも悪くない。それより2人ともちゃんと10年続けていけてるのかというところも興味津々。





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コメント

つーぷー さんの投稿…
こんにちは!つーぷーです!

3人とも異なるピアノ歴はどうなるのか楽しみではありますね(^-^)
私の先生も「急がば回れ」の方です。結局はそっちが近道だと言っていました。
でもー、先生は若いけど
私はどんどん歳を取っていくし
時間がーー、と考えるとモヤモヤもしますね( ̄▽ ̄;)
どうなるんでしょうか…
弾きたい曲も沢山ありますよね(^-^)
どんな道でも先が楽しみですね!

やっとコメント出来ました!
Gari さんの投稿…
つーぷーさん、こんにちは。コメントありがとうございます😊。このブログ、ほんとにコメントが入れにくいのが欠点で、お手数おかけして申し訳ないです。ほとんどの先生が「急がば回れ」推奨しますよね。イチロー選手も言ってたけど、「遠回りすることがほんとの近道」だって。つーぷーさんやGari夫のように先生の言うこときちんと従っていける生徒は、先生の方もやる気出るだろうし、結果もきちんとついてきますよね。
どんぴょん さんの投稿…
Gariさん、こんばんは!
今回のお話、最近よく考えることです。
大人の生徒なので、先生は私の弾きたいものを、というスタンスで、私が曲を選んでますが、やはり身の丈に合っていないのか頭打ちを感じてます…。ちょっと背伸びした曲のつもりが、かなり背伸びやったんかなと( ̄▽ ̄;)
はっきりと急がば回れです今はこれを!と言ってもらえるのもありがたいですよね。
半面、いつ弾けなくなるかわかんないから早くチャレンジしたい気持ちもあって。

ところでGariさん、かつてのピアノ歴7年で再開後今のレベルってすごくないですか?!∑(゚Д゚)
ピアノブロガーの皆さん、センスのある方が多くて羨ましいです。
子ども頃からやり直したいと思ってましたが、今は生まれ直したいです…(T▽T)
Gari さんの投稿…
どんぴょんさん、コメントありがとうございます。私は先生に「急がば回れ」と言われているのに聞かない不良生徒です😅。練習曲が嫌いで、いわゆる理想的なカリキュラムで固められてしまうと、ピアノそのものを辞めてしまいそうで、やはり好きな曲、無謀曲をやっていく方が自分には向いているような気がして。

>かつてのピアノ歴7年で再開後今のレベルってすごくないですか?
お褒めの言葉ありがとうございます。でもやはり始めた歳が10歳で、練習もほとんどしない不良生徒(←昔から変わってない)だったので、基礎が全くなってない、なので音色も濁っているのが悩みの種。無謀曲もやっぱり難しい箇所は歯が立たないし。
Unknown さんの投稿…
Gari さん、こんにちは(^○^) ぴあのりこです。
私のブログでも書きましたが、弾きたい曲があってもやはり仕上げるのに時間がかかりすぎる(私の場合はいつまでたっても仕上がらない)場合は、基礎からやり直した方がいいように思います。
ただ、「曲が仕上がる」のを、先生がどのレベルで判断しているかが問題ですよね。初心者レベルの方に、それこそショパンコンクールのレベルで仕上げてと言っても無理ですし(^_^;)。
弾きたい曲を弾くには何が必要か、ということがやっと分かってきたので、今は弾きたい曲を封印して先生の言う通りにレッスンしています。
また、分りやすい童謡とかを弾いています(これはとても勉強になります。演奏に歌心を加えたいときに)。
Gari さんのご家族の練習成果、たのしみですね。カンパネラが2年で通して弾ける旦那さん凄い‼これはGari さん油断してると、本当に追い抜かれてしまうかも⁉(もちろん、私も)。
ピアノ再開組代表として負けないでください‼
Gari さんの投稿…
ぴあのりこさん、コメントありがとうございます😊。基礎からやり直した方が賢明だということはわかってはいるのですが、なかなか難しいですよね。私の先生はできればバッハだけでなく全ての取り組み曲を自分の適正レベルまで下げることを推奨しているのですが、私が頑固者なので。。はい、再開組代表としてがんばります。