奥が深いよ、月光

去年、ベートーベンのソナタ「テンペスト」を全楽章通して弾くというプロジェクトをやってみました。高校生の頃、ソナタを習っていた時にはどのピースもほとんど1つの楽章しか練習しなかったので、この歳になって初めてひとつのソナタを全楽章通して弾けたというのは自分にとってはすごい達成感!「やればできるじゃん、自分」という素晴らしい気分を味わいました。

今年もその達成感を求めて、ソナタ「月光」に着手します。高校生の時に第1楽章だけはやった記憶があります。その後、第3楽章は大人になってから中途半端にかじった程度。第3楽章、ちゃんと弾けたらカッコいいだろうな〜。

とりあえず第1楽章から始めてみました。1楽章は非常にゆっくりで、以前に習ったピースでもあるので、一応譜面通りに音を並べることはできました。先週のレッスンで早速診てもらったのですが、なんと「奥が深い!」こと。このピースは全体的にピアニッシモとピアノが中心で非常に小さな音を継続して出さなければいけません。

まず注意されたのが、ペダルを深く踏みすぎていて音が濁ってしまうということ。今さらながらにペダルは浅く踏むことで、クリアーな感じを残したまま音を響かせることができるということを教わりました。しかし、このペダルを継続的に浅く踏むということが意外にも難しい!浅く踏むスタイルで身体を支えるには左足をいつも以上に踏ん張らないといけないんですね。よくプロのピアニストの左足が深く内側に曲がって踏ん張っているように見えたのは、右足のペダルを調整するためだったんですね。

次に右手の連続した3連符。全ての音を弱く、かつ深く、一定のスピードで刻み続ける。ダイナミックをつける部分もあくまで p, pp の範囲を超えないように。小さい音だから鍵盤を浅くタッチする癖があったのですが、先生から「鍵盤は奥が深いんですよー。p (ピアノ)でもしっかり奥まで押して下さいね〜じゃないと、Deepな音が作れません。」と言われても、いったいどうやったら奥まで押しつつ弱い音を作ればいいのか。いやはやベートーベン、譜読みはショパンやリストに比べると比較的簡単ですが、古典派特有の難しさ、リズムを正確に刻んで弾くということはなかなか身につきそうにありません。

写真はカメラが趣味の従兄が撮ったお月さま。





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