10月2日から行われているChopin Instituのマスターリサイタル、せっかくの機会なので今回はオンラインで見られるものは全て鑑賞しようと 意気込んでいます。昨日も仕事が忙しくて、ライブでは見られませんでしたが、まだYoutube上に残っていてくれて良かったです。
Olli Mustonenenは今回のマスターリサイタルのパフォーマーの中で唯一、ショパンコンクール出場歴の無い方のようです。会場も他の演奏者はワルシャワフィルハーモニックコンサートホールを使っていますが、何故か彼だけポーランド国立オペラの劇場、Tiatre Wielkiで行われていました。通常はオペラやバレエに使われている素晴らしい劇場のようです。
私はこの方は今まで存じ上げませんでしたが、フィンランドのピアニスト、指揮者そして作曲家と幅広いエリアで活動している音楽家のようです。プロのパフォーマーにしては珍しく、全ての曲が楽譜を見ながらで脇に譜めくりのアシスタントを供えての演奏でした。見るからにアーティストという個性的な雰囲気。そして53歳とは思えない若々しさ。角度によっては30代にさえ見えます。彼の演奏を見て、まず指先や手の動きがなんとも美しく、バレリーナのようなしなやかさ。手が彼の頭の位置くらいまで上がるシーンが多く、こういう弾き方もあるのねぇと色々勉強させてもらいました。彼自身の作曲した5楽章からなるソナタも聴き甲斐がありました。彼のピアニッシモはよくもこんなに細い音が出るものだと感心しますし、空間も演技の一部というような一瞬一瞬を大切にしている様子が伝わって来ました。
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