音楽を巡る旅シリーズ〜ウィーン中央墓地

2018年の夏、ヨーロッパへ旅行した時、ウィーンに4日ほど滞在しました。
ウィーンの交通機関は非常にわかりやすかったです。3日間乗り放題券を1人17ユーロで購入。日本とちがって改札で切符をチェックされないので、チケットをカバンからいちいち出さずに乗れるのは便利でした。路面電車は駅の階段を上り下りすることもないので、ほんとに便利です。ウィーン旧市街のリングを一周することもできるので、乗っているだけで観光スポットをたくさん車窓から眺めることもできます。


遅い朝ごはんのあと、この日の観光はお墓まいりからのスタートです。ウィーン中央墓地。旧市街からトラム一本で約30分。ここにはベートーベン、シューベルト、ブラームス、ヨハン・シュトラウスを始めたくさんの有名人が眠っています。墓地の前のお花屋さんでバラを二本買って、私たちの崇拝するベートーベンとシューベルトのお墓にお供えしてきました。
「私の〜お墓の前で〜♩な〜か〜な〜いで〜く〜だ〜さい〜♫」そう、ここでも娘は号泣です。ベートーベンがここに眠っているかと思うと心が震えてくるらしいんです。彼女は数年前に訪れたパリの墓地、ショパンのお墓の前でも泣いていました。

この場所から見ると、左からベートーベンのお墓、中央がモーツアルトの記念碑、そして右がシューベルトのお墓です。クラシック界の巨匠が3人揃っているこのエリア。世の中にはすごい墓地があるものなんですねぇ。クラシック音楽、狭義でのクラシック時代は1750年から1825年までの、まさにベートーベン、モーツアルトの時代を指すそうで、ショパンはその後のロマンティック音楽という時代に属するそうです。


さすがに音楽史オタクの娘、モーツアルトはあれだけ大作を残していながらギャンブルで一文になり、お墓を建てることもなく世を去ったんだそうです。彼の遺体はどこに葬られているか不明なんだそうです。この中央墓地には彼の栄誉をたたえて後から記念碑を建てただけで、お墓ではないそうです。私はベートーベンの大ファンなので、何故一文無しだったモーツアルトに中央の目立つ場所に記念碑を置き、自分でここに墓を買ったベートーベン様を端に追いやるのかと迫ったところ、モーツアルトはここオーストリアの生まれで、ベートーベンはドイツ生まれだったからだろうとのことです。ウィーンは街中がモーツアルトを誇りに思っている様子が端々に現れていました。



ベートーベンとシューベルトは本物のお墓ですから奥行きのある作りで、下に棺があるのだろうということが分かります。たしかにあの偉大なるベートーベン様がこちらに眠っていらっしゃるかと思うと、ゾクゾクしますね。



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