カナダでピアノ① RCM〜カナダのピアノ教育システム概要

Gariの娘は5歳からカナダでピアノを習いはじめたので、カナダのピアノ教育のシステムと自分が30年以上前に日本で習ってきたシステムの違いを見て非常に興味深かったのを覚えています。

カナダのピアノ学習者の大多数はRoyal Conservatory of Music(RCM)という音楽学校の教材を使っています。Royal Conservatoryって言葉の響きだけでもカッコいいですよね。カナダのピアノ教師はほとんどがRoyal Conservatory of Musicの資格試験に合格した人たちです。レベル1からレベル10、そしてその上にARCT、LRCTというプロフェッショナルのクラスがあり、全部で12段回に分かれています。日本ではピアノの先生は音大を卒業している方がほとんどだと思いますが、カナダのピアノの先生はRCMでピアノ教師のライセンスが取れるので、大学では違う科目を専攻している人が多いようです。娘のピアノの先生も大学では心理学専攻だったとか。



私が子どもの頃のピアノ教育とカナダのRCMの主な違いは以下の3つ。

- バイエルやツェルニーは使わない

私が子どもの頃は多くのピアノ学習者がバイエルやツェルニーを使っていたように記憶しています。バイエルやツェルニーが嫌いでピアノをやめた子どもたちって多いんじゃないかな。私もツェルニーが嫌いでなかなか先に進めなかったのを覚えています。RCMはテクニックのテキストを使ってスケールやアルペジオなどの基本を固めていきます。それから各レベルに応じたエチュード(練習曲)の中から1〜2曲選んで弾きます。エチュードの作曲家は実に様々。基本の練習はつまらないものですが、なんとかバラエティーを持たせて飽きずに練習できるように配慮されているようですね。


- バロックから現代音楽までの各時代のレパートリーを満遍なく弾けるようにプログラムが作られている

RCMはバロックから現代までの各時代から1〜2曲弾けるようになると、次のレベルに上がれるようなシステムになっています。私が子どもの頃についていた先生は、バッハ、ソナチネ集、ソナタ集を軸にしたレッスンだったので、クラシック時代(モーツァルトやベートーベンなど)ピースがほとんどで、たまにロマン派のピースも取り入れてはいましたが、いろいろな時代の曲を並行して練習したという記憶はありません。いろいろな時代の音楽を弾いてみるのって、なんだか楽しそうですよね。


- 音楽理論(セオリー)を早いうちから取り入れる

RCMのプログラムでは弾くだけでなく、セオリーも早いうちから取り入れています。これはちょっと大変そうだなぁ。大人のピアノ学習者だからこの部分はとりあえずパスしてもいいかな。


2015年のショパンコンクールでは上位5位以内にカナダ人のピアニストが2人も入っていたことを考えると、RCM方式はきっと画期的なシステムに違いないと思います。我が家には娘の使っていた古い教材がたくさんあるので、今年の練習メニューはRCM方式を自分なりにアレンジしたものを使ってみようかなと思っています。

今の日本のピアノ教育もおそらく私が習っていた頃とは違ってきているのでしょうね。また他の国ではどんなピアノ教育システムを使っているのでしょう。機会があったら調べてみたいものです。


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